たまごを漢字で書くとき、「卵」と書く場合と「玉子」と書く場合があり迷う方も多いと思いますが、私もその一人。買い物リストのメモ書きの時、レシピを書き写している時、あれ?どっちだろう…と思うことがしばしばあります。同じ『鶏のたまご』を意味するこの二つ。どのように使い分けたらいいのでしょうか?
『たまご』を意味から調べてみると
- 1.鳥・虫・魚などの雌から産み出される、殻や膜に包まれた球形のもの。孵化(ふか) すると子になる。卵(らん) 。
⇨表記例は「卵を産む」「卵がかえる」
- 2.鶏の卵。鶏卵。
⇨鶏の卵に限っては「玉子」と書いても良い。
- 3.まだ一人前にならない人。修業中の人。
⇨表記例は「学者の卵」「医者の卵」「役者の卵」比喩的に用いられる場合は卵と表記し、玉子は誤りになります。
- 4.物事の起こりはじめ。未成熟なもの。
⇨正しい表記は「台風の卵」ですが、「台風のたまご」とひらがなで表現されることが一般的。
本来は卵、鶏のたまごについては玉子と書くのが認められているわけですね。
『たまご』を漢字の成り立ちから見ると
卵は象形文字です。魚が卵を抱えて泳いでいるように見えませんか?たまごの古名「殻の子(かひのこ)」がこの漢字の起源だそうで、丸い形ではなく殻からきています。
一方の玉子は玉(たま)=丸い物 から想像できるように、丸い形の殻に入った「玉の子」で「玉子」
『たまご』を用途別に見てみると
料理の世界では一般的に「卵」は調理前のもの「玉子」は調理済みの物と区別されています。生たまごは「生卵」たまご焼きは「玉子焼き」というわけです。
でも厳密な基準ではありません。例えば「煮卵」は調理済みですが煮玉子とは書かないのが一般的です。ゆでたまごも「ゆで卵」の表記が多いです。
まとめ
買い物リストやレシピの場合、調理前ということで、卵と書きましょうね。
レシピの名前には〇〇玉子がいいのですが、印象によってどちらもあり。
味付け玉子はやはり玉子と書きたいし、温泉玉子も。でも煮卵は卵がしっくりきます。
ところで、煮卵、味付け煮卵、味付け玉子、味玉とラーメン屋さんで見かけるトッピングたち。この煮卵と味玉の違いについても検証してみました。
煮た卵が煮卵ということで、ゆで卵を煮たもの、おでんの玉子を想像しますね。
煮卵の作り方は
叉焼の煮汁やタレで煮れば煮卵となる。煮汁にゆで卵を入れて沸騰させ、短時間煮た後、汁ごと長時間かけて冷やすなどにより味を染み込ませて作る。
とあり、ゆで卵を汁で煮るから煮卵なんですね。
と、すっきりしたところで申し訳ありませんが、煮なくても煮卵になることもあるそうです。その名が半熟煮卵です。
ゆで卵を半熟に仕上げ、冷たい汁の中に入れて以降は加熱せずに味付けする(厳密には「煮卵」ではないが)
これが味付け玉子=味玉の正体ではないでしょうか?
どうもゆで卵に味を付けるのが固ゆでであれ、半熟であれ「煮卵」として浸透しているようです。レシピをあれこれ見ていると味玉、煮卵と名前が混合していますが、しっかり区別したい場合
『煮卵』は火力を使って味を浸み込ませる。固ゆで玉子になる。
『味玉』は火力を使わずに味を浸み込ませる。よって半熟状態を維持する。
とすっきり結論付けてはどうでしょうか?