これからリンゴが美味しい季節。リンゴを見かけるとどうしても作りたくなるのがリンゴのタルト。我が家では定番のデザートです。そして夫の一番好きなデザートでもあり、誕生日には毎年これを作ります。でも困ったことにこのリンゴのタルトはロウソクが立てにくい!生地は薄く、リンゴはフニャっとしているから。そんな時はリンゴのタルトをアップルパイに変身させてロウソクを立てます。
ではタルトとパイの違いについて…
記事の内容
パイの歴史と由来
パイは紀元前5世紀の古代ギリシャ人が生み出したものと言われていますから何とも歴史深い食品ですね。パイ生地を鳥の巣に見立て、中にいろいろな物を詰め込んで焼きました。まるでカササギが自分の巣にせっせと様々な物を運び込むように。これがパイがカササギの名前に由来する理由のようです。
イギリスのパイはハンタースタイル!?
イギリス海軍では長期間の旅行、特に航海のために持ち運びに便利で、栄養価の高い食品が必要でした。そこで猟師ハンタースタイルのパイが推奨され、携帯に便利で栄養価の高い理想的な料理として一世を風靡しました。パイの基本とされるハンタースタイルとは…?
小麦粉を練ったものに、調理した肉や野菜を包み込み焼いたもの。当時は大変固い生地のものだったようです。形は半円形。大きな餃子といったイメージでしょうか。
イギリスで『パイ』は包まれた、またはパイ生地で蓋をされた食品として定着していきました。
最初は固い生地でしたが、バターを練りこむことで食べやすいパイに改良さてます。小麦粉に含まれるグルテンにバターを加え、そのバターが熱せらる時気泡を作りあのサクサク感になります。
タルトの歴史と由来
同じ古代ギリシャ発のパイがフランスではタルトと呼ばれ広がっていきました。
フランス貴族に愛されながら当時は高級料理として改良が進めれれて行きます。タルト皿に生地を敷き、そこに様々なフィリングを乗せてやかれます。元は肉や野菜といった塩辛いものでしたが、次第にクリームや果物を乗せたデザートしても親しまれていきました。貴族の食卓を飾ったこのタルトは持ち運びの必要はなく、オープンスタイルのまま現在に至ります。ハンタースタイルのイギリスのパイとは一線を画しますね。
パイとタルトの違い1:発祥地
生まれはイギリスかフランス。イギリス生まれのパイは食材を生地で包み込んだもの。フランス生まれのタルトはタルト皿に敷いた生地に食材を乗せて焼いたもの。というわけです。
リンゴのタルトにパイ生地を被せてイギリス流アップルパイにして焼くと、表面のサクサク生地にロウソクがきちんと立つんです。
パイとタルトの違い2:タルト生地の種類
タルト生地は三種類あります。
折り生地(英)Puff Pastry(仏)Pâte feuilletée
水で練った小麦粉を延ばして、その上に平らにしたバターをのせ、何回も折りたたんでいきます。
これがイギリス流のアップルパイで使用される生地です。
練り生地(英)Flaky Pastry(仏)Pâte brisée
小麦粉とバターを最初から混ぜておいたものを伸ばします。
こちらがフランス流のリンゴのタルトで使用される生地。
サブレ生地 (英)sugar crust pastry(仏)pâte sablée
小麦粉とバター、卵、砂糖を練上げた甘い生地。
これが日本でいうタルト生地に当たるのでしょうか。砂糖が入った生地はこちらのみです。
サブレ生地はデザート専用ですが、折り生地(フィユテ生地)練り生地(ブリゼ生地)は料理にもデザートにも使用できます。
いかがでしたでしょうか?タルト生地を使い分けていろんな料理、デザートを作ってみるのも楽しいですよ。リンゴのタルトとアップルパイの違いを楽しむのもお薦めです!