ペペロンチーノにカルボナーラ、ボロネーゼやミートソース、トマトスパゲッティなどパスタ好きの方は多いと思いますが、「パスタとスパゲッティの違いは?」と聞かれた時に正しく違いについて答えられる人は意外と少ないのではないでしょうか?
また、マカロニやペンネもパスタの一種であることはご存知の方も多いですが、スパゲッティではないのか?と疑問に感じる方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回はそんなパスタやスパゲッティの種類や違いについてご紹介しようと思います。
記事の内容
パスタとは?
イタリアの代表料理といえばパスタ(pasta)。日本でも愛され、親しまれているこのパスタの歴史は古く、語源は古代ギリシャ語のπαστά(発音 :パスタ。意味 :大麦のお粥)がラテン語に変化したものとされています。ラテン語で生地、ペーストいう意味のpastaが日本でもおなじみの現在のイタリア語pastaの起源です。
パスタは小麦粉、主にデュラム小麦のセモリナ(粗挽き粉)に水と塩などを加えて練り上げた麺で、スパゲッティやマカロニ、ペンネ、ラザニア等の総称です。
麺の形により調理方法もいろいろありますよね。スパゲッティミートソース、マカロニグラタンなどが代表的なパスタ料理。『パスタ』は『パスタ料理』が省略されたものでもあります。
スパゲッティとは?
スパゲッティはパスタの代表料理で地元イタリアでもよく食べられています。日本のうどんや蕎麦や素麺に似た形のひも状のロングタイプの麺ですね。
スパゲッティと一言で言ってもその太さにより名称が変わります。
- 直径2mm以上 スパゲットーニ(意味は紐)
- 直径1.9~1.7mmスパゲッティ(意味は紐)
- 直径 1.6~1.5mm スパゲッティー二(意味は紐)
- 直径 1.4~1.2mm フェデリーニ(意味は薄い)
- 直径1.0~0.8mm カッペリーニ(意味は髪の毛)
太さが変わるともちろん食感も変わります。細いカッペリーニはさらっとして軽い食べ心地です。麺よりもまずは絡んだソースの味が印象的。太いスパゲットーニは、もっちりして噛みごたえがあり、麺本来の味を楽しめます。
世界中で愛されるスパゲッティは映画のワンシーンにも登場します。
ディズニー映画『わんわん物語』ではレディとトランプがミートボールスパゲッティを食べるシーンが有名ですよね。
マカロニとは?
スパゲッティがロングパスタの代表ですがマカロニはショートパスタの代表です。
ショートパスタは種類が豊富で600種類以上あるといわれていますが、中でも一番有名で歴史が古いのがマカロニ。イタリアではギリシャ語由来の『パスタ』という言葉が使われる以前はこの『マカロニ』がパスタの総称だったそうです。そのため今なお『マカロニ』はイタリア系のものという意味の例えとしても使われ、マカロニはイタリアの象徴といえます。
穴のあいストロー状の短いこのパスタ。グラタンといえばマカロニグラタンが最もポピュラーです。マカロニグラタンをこよなく愛する人は、口に入れ噛んだ時に、空気が混ざっていてふわっとするのがたまらないそうです。これは『ストロー状』のマカロニのなす技です。
ペンネとは?
ペンの先とい意味のペンネ。マカロニと同じショートパスタですが、万年筆のペン先のように斜めにカットされ、表面に筋が入った『ペンネリ・リガーテ』が有名です。マカロニよりも生地が厚めでしっかりとした噛みごたえが特徴的です。その形状から管の中にまでソースがしっかり入り込み、溝がついた表面がさらにソースの絡みをよくします。代表的な調理法はトマトソースベースのアラビアータ。クリームソースともとてもよく合います。濃い目のソースで調理するのがポイントです。
パスタとスパゲッティの違いは太さにあり!
このようにいろいろな形や厚さ、長さの違いがあり、様々な食べ方がある『パスタ』。パスタは総称名でスパゲッティはその中の一種類です。でもスパゲッティは世界中であまりにも有名なため、パスタの代表選手的な存在です。特に日本では既存の麺類と形が似ているため、早くから受け入れられて広く親しまれています。お蕎麦のようにスルスルっとすする食べ方も我々日本人にマッチしていますよね。ちなみに、このスルスル、ズルズルっと音を立てて食べることを礼儀違反とする欧米諸国では、スパゲッティはフォークとナイフで切ったいただきます。イタリア人の中にはこのスパゲティを『切る』行為にショックを受ける人もいるそうですよ。フォークとスプーンでいただく日本のスタイルは正統派なのでしょうか。
ペンネやマカロニはショートパスタ、ニョッキやラビオリも実はショートパスタ!
ショートパスタのマカロニやペンネに加え、ニョッキもその仲間です。イタリア語で『こぶ』という意味のニョッキは団子状のショートパスタ。ショートパスタの『元祖』ともいわれています。パスタが主にデュラム小麦を使用しているのに対しこちらはジャガイモと小麦粉を使用するのが特徴です。
また板状のショートパスタもあります。こちらはパスタとパスタの間に詰め物をしたラビオリ。牛肉をはじめチーズ、野菜など様々な詰め物を楽しめます。スープに浮かしたり、トマトソースとチーズをのせてオーブンでこんがり焼いたり。
ショートパスタは種類が豊富なだけあって楽しみ方もたくさんあります。
違いに関するまとめ
パスタというと日本の麺と似ています。粉を練上げる製法は麺とよく似ていますが、大きな違いは長細い形にこだわらないことでしょうか。形によって名前がかわりますが、食感も大きく変わるのですから驚きです。生地の厚さ、カットの仕方、長さ、形と種類や製法が豊富なパスタ。それだけ食べ方もたくさんあり、楽しみに方も尽きません。これがパスタの魅力でしょうか?