親から子供へ遺伝する病気とは?3種類の遺伝病と検査方法について

遺伝病とは親から子供へ遺伝する病気と思われがちですが、遺伝病の種類によっては両親のDNAや遺伝子構造になんの問題がない場合でも遺伝子の突然変異が原因となって奇形や病気を患った赤ちゃんが生まれてくる場合もあります。

ガンや糖尿病・脳梗塞など家族や近親者に病気の既往歴がある方は遺伝的に発病リスクが高いと言われたりしますが、そういった後天的な病気は様々な要因が絡んで発病します。遺伝病には「親の病気や欠陥遺伝子が子供に受け継がれる」場合と「突然変異によって遺伝子情報が変化する」場合、そして「後天的に遺伝子が傷ついたり多因子が絡んで発病する」場合の3種類に遺伝病を分けることができます。

今回はその遺伝病の種類とその代表的な疾患の原因や遺伝子検査などについての内容をお届けします。

遺伝子病のタイプは3種類

  1. 単一遺伝病
  2. 染色体異常
  3. 多因子遺伝病

親から子へ遺伝する遺伝子の病気は先天的な病気と先天的要素と後天的要素が合わさって起こる病気とがありそれぞれのタイプによって3種類に分けることができます。

単一遺伝病

代表疾患:先天性代謝異常症(フェニルケトン尿症・メープルシロップ尿症・ホモシスチン尿症・先天性甲状腺機能低下症など)、ハンチントン病、筋緊張性ジストロフィー、ビタミンD抵抗性くる病(X連鎖低リン血症性くる病)、アルポート症候群、レット症候群、血友病、マルファン症候群など

単一遺伝子疾患の多くは先天性代謝異常症という代謝系の疾患が多く、1つの遺伝子に欠陥があることが原因で発病します。父親または母親の持つ欠陥遺伝子の受け継がれ方の優劣により常染色体劣性遺伝・常染色体優性遺伝・X連鎖遺伝・X連鎖劣性遺伝・X連鎖優性遺伝などのタイプに分かれ総称してメンデル遺伝病などとも呼ばれています。

染色体異常

代表疾患:ダウン症、パトウ症候群、エドワード症候群、ターナー症候群、クラインフェルター症候群、猫鳴き症候群、プラダーウイリー症候群

突然変異により遺伝情報が格納されている染色体が欠損または過剰にあることが原因で起こる遺伝子疾患です。精子や卵子を造る過程で変異が生じることが主な原因で健康な両親からでも生まれる可能性があります。出生前診断などを受けることで胎児の染色体異常の有無を調べることができ、そのまま出産するか流産するかの判断に迫られることがしばしばあります。問題のある染色体の種類によって常染色体異常と性染色体異常の2種類があります。(染色体異常に関する詳しい内容は「染色体異常が原因の7種類の病気とは?赤ちゃんの発症確率や検査方法について 」の記事参照。)

多因子遺伝病

代表疾患:口唇裂・口蓋裂・先天性飛行性幽門狭窄症、ガン、高血圧、肥満、脳梗塞、糖尿病など

多因子遺伝病とは誰にでも起こりうる割と身近な病気で「よくある病」とも言われたりしています。よくガン家系や糖尿病家系など血縁者が同じような病気になりやすかったり1卵生双生児が同じ病気を患うことなどから明らかになりました。ただし、血縁者全員が必ず病気を患うわけではなく、因子を持っていても発病しない場合もあります。

これらの病気の原因となる遺伝子は常に潜んでいるのですが、発病するかしないかはその人の生活環境などによって引き起こされるためです。リスクとなる銃弾を持っていても引き金となる様々な環境的因子がなければ発病はしないと考えられています。そのため、血縁者に多い病気や遺伝的なリスクが認められたとしても普段の生活を見直したり気をつけることで予防することも可能と言えます。

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親から子供に遺伝する病気を検査する方法

上記の染色体異常は遺伝子の突然変異が主な原因となるため特別な対策方法はありませんが、女性の場合は高齢出産との相関が高く30代以降の出産でリスクが高まるとされています。年代を問わず妊活前にはブライダルチェックや妊娠をしたら妊婦健診や出生前診断を受けることで早期に子供の異常や病気を発見することができます。

また、妊娠を望む場合で両親のどちらかでも遺伝する病気を持っている場合は夫婦で話し合ったり、生まれてくる子供に遺伝するリスクがあることを理解して進めることが大切です。

近年になって遺伝子情報を国内でも手軽に調べることも可能になりました。医療機関をわざわざ受診しなくても郵送などで検査結果が届く遺伝子検査キットはプライバシーなどの点も考慮されているため人気のようです。子供へ遺伝する病気だけでなく自分自身が将来的に患いやすい病気の傾向や自分では気づいていないアレルギーなど色々と調べることができます。可能性が分かれば準備や対策などもでき、自分を内面から知る良いきっかけにもなるのではないでしょうか。

 

病気になってから治すのでは遅い!

人間ドックや各種検査は主に病気を早期発見し早期治療をすることで病状が悪化したり進行して手遅れになることを防ぐ目的で行われますが、遺伝子検査は病気になる前に自分がなりやすい病気を知れるという点が大きく異なります。米国での臨床実験などを先駆けに世界的に遺伝子検査が一般化されたことで病気の発病率低下など予防医学の点から注目されています。

検査項目も非常に多く、病気だけでなく自分の体質なども知ることができるので健康維持を目的とする方も一度受けてみると良いでしょう。

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