子どもの耳掃除、ゴロッと耳垢が取れたりすると、意外と快感だったりしますよね。そんな時に「あら、茶色い・・・・?」「黒い塊が!」となったことはありませんか?
今回は、子どもの耳垢の色について、その原因と心配されるその他の症状などをご紹介します。
記事の内容
正常な耳垢の色って何色?
そもそも耳垢というのは
- 外からの入ってきて付着したホコリなど
- 耳の内側(外耳)の古い皮膚が剥がれてきたもの
- 内耳からの分泌物
が合わさったものです。
よって、これらの色がそのまま耳垢の色になるため、大体の人場合、耳垢の色は黄色〜茶色になります。
また、耳垢が湿っているタイプの人は茶色に近い色の耳垢になりますが、耳垢が乾いているタイプの人は白っぽい耳垢になります。
どれも正常な色の耳垢です。
ちなみに、日本人のほとんどは《乾いているタイプ》で、2割程度の人が《湿っているタイプ》の耳垢だそうです。これは遺伝形質なので、食べ物や生活習慣で変わるもの、というよりは、生まれつきの体質によるところが大きいものです。
黒色や赤色の耳垢は異常や病気のサイン?
では、黒色の耳垢は異常のサインなのでしょうか?
実はこれ、羊水と耳垢が合わさることによって黒色になっている可能性があります。新生児の場合、まだ体内に羊水が残っていることがあり、それと耳垢が混ざると、黒っぽい耳垢が排出されることになります。これは全く異常なことではなく、ごく普通の耳垢ですから、特に心配する必要はありません。
また、子どもの場合、新陳代謝が激しいため、耳垢の量が多いということがありますが、これも異常なことではありませんので、不安に感じなくても大丈夫です。
赤色の耳垢が出てくる原因は、ほとんどの場合、「耳掃除のし過ぎ」です。耳掃除って結構気持ちがいいので、ついつい頻繁にやってしまいがちですよね。
しかし本来、耳掃除は必要ありません。自然と体外に排出されていくので、特に掃除しなくても不衛生ということはありません。
逆に、耳掃除をすると、せっかく外に出ようとしている耳垢を耳の奥に押し込んでしまったり、鼓膜や外耳道を傷つけてしまい出血してしまう原因になります。また、このような刺激が続くこと、聴力が低下してしまう可能性が高まります。
耳掃除はすっきりする行為ですが、耳のためにはあまりしない方が良さそうです。
注意すべき耳垢のタイプ
普通の色の耳垢であっても、水っぽい耳垢の場合は、さらに注意が必要です。
プールに入ったりお風呂に入った後でもないのに、耳垢が水っぽい場合、考えられる原因には次のようなものが挙げられます。
- 内耳が炎症を起こして膿んでいる。(いわゆる『中耳炎』の状態)
- 耳掃除のし過ぎで外耳道が傷ついている。
1.「内耳が炎症を起こして膿んでいる」場合の対処法
1.の場合は、下手に自分で綿棒等で耳の中をいじると悪化してしまう可能性があるので、すぐに耳鼻咽喉科にかかってください。
2.「耳掃除のし過ぎで外耳道が傷ついている。」場合の対処法
2.の場合は、耳掃除のしすぎで過剰に分泌物が出ている状態の可能性があるので、耳掃除は控えるようにしましょう。
「中耳炎」は、初期症状として痛みや発熱がありますが、これはすぐに治まってしまうので気づかずに過ごしてしまう子どもも多くいます。しかし、痛みが引いたからといって、中にある膿がなくなったわけではなく、膿が残っていると耳が聞こえにくくなってしまいます。
異常を感じたら早めに病院を訪ねましょう!
気持ちいい耳掃除、でもやり過ぎは禁物!
寝る前の耳掃除、至福のひとときだったりしますよね。最近では、すごくふわふわの耳かきなんかも販売されていて一つの趣味のようにもなっています。
しかし、上でもお話ししたように、やり過ぎは禁物です!外耳道が傷ついて出血したり、中耳炎になるくらいで済めばまだマシですが、酷くなると難聴になったりする可能性もあります。
お子さんが耳掃除をねだってきても、適度な耳掃除で、気持ちのいい「聞こえ」を保ってあげるように心がけましょう!