「最近、寝入り端に爆発音がする」「眠ろうとすると、変な幻覚が見える」などの症状で悩まされた経験はありませんか?このような症状は、不眠症の中でも、『入眠時幻覚症状』と呼ばれます。
また、このような症状の他に、「寝付けない」という症状が長く続くと『入眠障害』というものになります。
今回は、『入眠障害』と『入眠時幻覚症状』について、ご紹介します。
入眠障害とは
『入眠障害』とは、「寝ようとしているのに寝付けない」という症状のことです。
あなたが辛いと感じていて、生活に大きな支障が出ていれば、それは『入眠障害』となります。
具体的に「どのくらいの時間寝付くことが出来なければ入眠障害」診断されるかというと、はっきりとした時間は定まっていません。
日本睡眠学会によると「夜間、なかなか入眠出来ず寝つくのに普段より2時間以上かかる状態」と定義されています。
また、頻度の目安としては「週に3回以上、3ヶ月間以上、症状が続く」【DSM-5より】とされています。
入眠時幻覚症状とは
『入眠時幻覚症状』とは、「眠りに入ってすぐに幻覚を感じる」という症状です。通常見る『夢』よりも現実的ででなまなましく、しばしば恐怖感を伴います。
睡眠に問題がない人にもまれに起こることがありますが、この場合は一時的なストレスによるいわゆる『金縛り』などだと思われます。
『入眠時幻覚症状』の場合、繰り返し幻覚を感じることが特徴で、同じ幻覚や幻聴が何度も現れます。内容や状態は様々で、「蛇や妖怪などのようなこの世のものではない何かが体の上に乗っている」「寝室の扉や窓から知らない誰かが忍び込んで襲ってくる」「得体の知れない物体が体を圧迫してくる」といった例が多いようです。
いずれにしても、寝入り端に起こるため、結果として寝つきが悪くなり『不眠症』となってしまいます。
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入眠障害・入眠時幻覚症状、その原因は?
『入眠障害』と『入眠時幻覚症状』、どちらも睡眠に関する症状です。
ではその原因は何なのでしょうか。
一番、可能性の高い原因はやはり『精神的・肉体的ストレス』です。
適度なストレスは、人間が健康的に生きるために必要不可欠なものですが、度を過ぎると、やはり様々な悪影響を及ぼします。
過度なストレスを感じると、神経系のうち、『自律神経』という神経が不調をきたします。これは、人間の様々な活動を制御している神経で、睡眠も自律神経によってコントロールされています。
ストレスにより、自律神経が不調をきたすと、本来睡眠状態の時に、覚醒状態になったりします。(この時、自律神経のうち『交感神経』が優位になっています。)
これによって、本来見えるはずのないものが見えたり、聞こえるはずのない音が聞こえたりするのです。
入眠障害・入眠時幻覚症状への対処法
これらの症状の大きな原因は『ストレス』です。
ですから、対処法の第一は「ストレッサーを減らす・遠ざける」ことになります。
しかし、そうは言っても、職場の事情などですぐにストレスを軽減することは難しかったりします。
そのような場合は、心療内科や精神科等を訪ねてみましょう。そこで診察を受け、必要であれば投薬治療や臨床心理士によるカウンセリングも検討されるでしょう。
また、受診の際のポイントとして、ただ「眠れない!」「寝付けない!」という主張をするのではなく、具体的に「いつ頃から」「どのような症状が(幻覚・轟音)」あるのかを伝えるとい良いでしょう。スムーズに治療の方針を決めることが出来るので、医師と患者の双方にとって負担が少なくなります。
一人で我慢しないで
「睡眠のこと」というと、家族にも分かりづらい、かなりプライベートな問題になってきます。
そのような部分で支障があっても、なかなか相談しづらいし周りの理解も得づらいでしょう。
そのような場合は、一人で我慢せずに、早めに専門家を頼りましょう。「心療内科や精神科は敷居が高い!」と感じるならば、かかりつけの内科でも構わないかと思います。そこで診察しきれなければ、紹介状を書いてもらうという方法もあるので、まずは病院を訪ねてみましょう。
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