眠りに入ろうとする時や夜中にふと目が覚めた時などに
「部屋の片隅に誰かがいる・・・!でも動けない!」
こんな経験はありませんか?みなさんよくご存知の、いわゆる『金縛り』という現象ですよね。心霊写真などと同じようなオカルト的な現象だと思っている人が多いかもしれませんが、これは医学的には『睡眠麻痺』という症状です。
また、「金縛り」というと白昼に起こるものを指すこともありますが、これについては科学的な解明がされていません。(精神的なストレス等が関係しているのではないかと言われています。)
今回は、睡眠に関する金縛りについて、その原因や金縛りになりやすい人の特徴を解説していきます。また、金縛りにならないための対策となってしまった時の「解き方」もご紹介します。
金縛りの原因
よく知られていることですが、「眠り」には、『レム睡眠』と『ノンレム睡眠』の2種類があります。
- 『レム睡眠』・・・「体は寝ている、脳は起きている」という状態のこと
- 『ノンレム睡眠』・・・「体は起きている、脳は寝ている」という状態のこと
金縛りが起きるのは『レム睡眠』の時です。寝入りばななど、体の方は筋肉が緩んで眠っている状態なのに、脳が覚醒している状態の時にかかってしまうことが多いようです。
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こんな人・こんな時・こんな場所で、金縛りになりやすい!
- 小さい頃から寝つきが悪い人
- 布団に入ってからも寝付くまでスマホなどを見ている人
- 仰向けで寝る人
- 普段ほとんど運動しない人が激しい運動した時
- 旅行先のホテルや移動中の飛行機
1.2.は根本的には同じことかもしれませんが、どちらも、「入眠直前まで脳が覚醒している」ということがポイントです。筋肉が緩んで体は睡眠状態に入っているのに脳が起きているため、体が動かないけれど周囲のことは認識できる、という不思議な状態になります。ただ、この時の脳は、端的に言うと「寝ぼけている」ので、あるはずのないものが見えたりします。(これは『入眠時幻覚症状』と呼ばれたりします。)
また、3.ですが、レム睡眠時は筋肉が弛緩して脱力しているため、仰向けで寝ていると舌が下がってきて気道の一部を塞ぎます。そのため、息苦しさを感じて、「誰かにのし掛かられている」という幻覚を同時に見てしまったりします。脳が勘違いしてしまうのです。
4.と5.について一般的に言うと、「肉体的な疲労と環境の変化による脳の興奮状態が同時に起きている場合」のことです。旅行や遠征などの時は、長距離の移動で体は疲労しますが、見慣れない場所に脳は興奮している状態が続きます。そのために、床に就く際にも、体はすぐに睡眠状態に入りますが、脳はなかなか眠ってくれません。結果、「金縛り」にあうのです。
金縛りの対策
では、金縛りにあわないようにするためには、どのようなことをすれば良いのでしょうか。その対策には次のようなことが挙げられます。
- 横向きで寝る。(=仰向け寝をやめる。)
- 胸のあたりを締め付けない部屋着を着て寝る。
- 布団に入る30分前からテレビやスマホなどのモニター類は見ない。
- リラックス音楽を小さめの音で流す。
- 旅行や遠征に行くときには、着慣れたパジャマを持っていく。
金縛りの解き方
では、いざ金縛りにあってしまった!という時は、どうすれば良いでしょうか。
- 指先など、体の末端だけを少し動かそうとしてみる。
- 手足をバタバタさせる。
- 声を出そうとする。
よく言われる方法ではこのようなものが挙げられますが、科学的に正しいかというと、曖昧なところがあります。
実を言うと、無理に解こうとしないほうが良いです。金縛りを自分の意思で解くということは、一度睡眠状態に入った体を力づくで起こすということなので、かなり体に負担がかかり、ドッと疲労を感じることが多いです。
体の感覚が戻るまで、目を閉じて、じっと静かに横たわっているのがベターです。
自分を労わる気持ちで
肉体的にも精神的にもストレスを感じている状態の時に、金縛りにあいやすいと言えます。
日頃から頑張っている自分を労ってあげるようにしましょう!ポジティブな気持ちを持つことも、金縛りを防ぐ一つの方法です。
あまりにも酷い金縛りで毎日のようにうなされている、という人は、早めに心療内科等を訪ねて専門家に相談しましょう。