肉離れの症状と治し方!好発部位や正しい応急処置方法を知って競技復帰をしよう!

「肉離れ」は誰もが聞いたことのあるスポーツ現場で好発する怪我の種類の1つです。経験したことがある方はもう2度と味わいたくないとスポーツ選手なら避けたい怪我の1つですが、自分は肉離れにはならないだろうと軽視している方が多いのも実情。

実際に肉離れが原因で競技生活を断念せざるおえなくなってしまったり、スポーツ選手生命にも影響するケースもあり受傷しないための予防や受傷後の適切なケア方法は当事者を含め周りでサポートするスタッフやトレーナー家族も知っていいて損はありません。

今回は肉離れについての基礎的な内容を解説しますので、肉離れをしてしまった時の正しい対処法方や適切な治療内容が分からない方はぜひチェックしてみてくださいね!

肉離れとは

最近では整形外科を受診すると診断名として「肉離れ」と使われるようになってきましたが、一昔前までは病態がはっきりしなかったため「筋挫傷」などと混同されて診断がされてきました。研究が進むにつれて筋挫傷と肉離れの病態や発生メカニズムには明確な違いがあることも分かり、筋挫傷とは区別して肉離れという言葉が使われるようになりました。

では、肉離れとはどのような病態のことを差すのかというと「筋繊維が腱から離れた状態」のことを肉離れというようです。

以前までは肉離れは筋繊維の断裂が肉離れの原因だろうと考えられてきましたが、画像所見(MRIなど)の技術発達により受傷直後の筋肉や腱の状態を確認すると肉離れが起こっている部位は筋肉が腱に移行する筋腱移行部という部分で起きていることが分かってきています。

打撲やモモカンなどによる筋の挫傷は筋繊維そのものが傷ついたり切れてしまったりする病態とは明らかに違いますね。

人間の筋と骨の構造は筋肉が直接骨に付着しているのではなく、腱を介して骨に付着しているのですがこの腱と筋の境目が離れてしまうことが肉離れであると考えることができます。

関連記事:「骨折か打撲か捻挫の見分け方|症状の違いとチェックすべきポイントとは?」

肉離れが起きやすい好発部位はどこ?どの筋肉が起きやすいの?

よく目にすのは太ももの裏にあるハムストリングス(大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋によって構成)という筋肉の肉離れではないでしょうか?陸上選手が走行中に急に太ももの後ろを手で押さえて痛がっている場面などを目にしたことのある方もいらっしゃるでしょう。

では実際のところはどこの筋肉に肉離れが起きやすいのでしょうか?

  • 第1位:ハムストリング
  • 第2位:大腿四頭筋
  • 第3位:下腿三頭筋
  • 第4位:内転筋群
  • 第5位:股関節外旋筋群

ある病院の肉離れ患者の統計ではハムストリングスが全体の約40%を占め、ついで大腿四頭筋・下腿三頭筋が約10%となっており、内転筋群・股関節外旋筋群・殿筋・腹筋群・腸腰筋・肩甲帯・上肢・足の順に多かったそうです。

ハムストリングスの内訳を見てみると大腿二頭筋(約60%)>半膜様筋(約30%)>半腱様筋(約10%)となっており、圧倒的にハムストリングスの中でも大腿二頭筋に肉離れが起きやすいことが分かっているようです。

 

肉離れの主な症状

  • 疼痛
  • 陥凹(24時間以内)
  • 腫脹
  • 皮下血腫(24時間以降)

肉離れが起きると患部の激痛(重症になればなるほど痛みも強い)と共に腫れが起きてきます。また、時間が経過するとともに腫脹や皮下血腫が生じてきますが、その前であれば目でも確認できる皮膚の陥凹を断裂部に認める場合もあります。

肉離れが起きてしまうと患部を動かすことが困難になる重症例もあるので一早い応急処置を行うことがとても重要です。特に大会間近の選手が怪我をしてしまった場合は最悪出場辞退などにもなり得るので注意が必要です。応急処置次第では治療期間を短縮したり競技復帰までの期間を早めることができるので受傷直後のケア方法はしっかりと理解しておきましょう。(応急処置方法は後述)

また、肉離れの軽症ではピリピリと傷んだりハリ感などの違和感程度が初期症状として現れる場合もあるので、上記のような症状がある場合は無理はせずに競技を中断して適切なケアを行うことで重症化を防ぐことができます。

自覚症状はどのように感じるの?

  • 痛み症状:局所的な限局した痛み〜広範囲の痛みと個人差がある
  • 本人の感じ方:「グニュッ」「ピキッ」「バチン」「筋肉がずれた」「筋肉が離れた」など
  • 競技継続の有無:プレーを断念せざるおえない場合もあれば我慢してプレーできる場合もある
  • 前駆症状:「ハリ感」「違和感」「ピリピリ」が受傷前からあった場合と無症状で突如起こる場合がある

肉離れの状態によって症状も大きく異なるため、肉離れをしてしまった時にはこのような症状が起きると覚えておくと良いかもしれませんね。

 

肉離れ直後の状態から予測できる軽症と重症の判断および予後予測

最も好発するハムストリングスの肉離れを例にしてみると、重症例になるほど受傷直後の疼痛が強くなり、さらに目で見ても分かるほど徐々に腫れが生じてくるのですが、予後予測にも役立つ重症度を確認する方法に「膝の伸展角度」で評価する方法もあります。これは重症例になればなるほど膝の伸展動作に制限がかかり膝を伸ばすことができないということです。受傷直後から仰向けに寝れれば軽症と判断することができますが、うつ伏せに寝ても膝を完全に伸ばしきれない場合は「完全断裂」「裂離損傷」「部分断裂(中等度)」などが疑われます。

肉離れが疑われる場合はうつ伏せに寝かせて痛みが生じる膝の角度がどのくらいなのかを診るのも評価手法の1つです。おおよその目安として0°〜20°ぐらいの角度であれば軽症、それ以上の関節可動域制限は重症例になることが多いようです。

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肉離れの治し方

  1. 保存療法
  2. 手術療法

肉離れの治し方は主に手術をしないで治す「保存療法」と手術適応となる「手術療法」の2種類の治し方に分けることができます。手術適応となるのは”完全断裂”や”裂離損傷”などの重症例に対して断裂してしまった組織を修復すべく縫合手術が行われます。その他の場合は基本的には保存療法で痛みの経過や組織修復の経過を観ながら徐々にリハビリが行われます。

 

受傷後の治療内容・リハビリの流れ

ここではスポーツ選手が肉離れを起こした場合に競技復帰を目指して行うアスレティックリハビリテーションや治療の流れを簡単に解説します。治療内容やリハビリメニューを行う時期や導入する時期は病態や回復の経過によって適宜判断していく必要があるため、医師・チームドクター・理学療法士・トレーナーなどの指示の元行うのが前提です。(詳しいリハビリメニューや治療内容などは別記事にまとめます。)

  1. 疼痛の軽減・消失
  2. 筋肉の柔軟性の回復・獲得
  3. 筋力の回復・増強
  4. 持久力の回復・増強
  5. 協調性の回復・増強
  6. 再発予防のための教育

治療やリハビリを行う大まかな順番は上記のような流れになるのですが、痛みが生じている時はデリケートな時期であるため最も注意が必要です。動いた時の痛みや押した時の痛みの有無、腫れなどの炎症症状の抑制や回復を中心に行いつつこの時期のトレーニングは患部外が中心となります。

疼痛が消失してきて筋自体に負荷をかけれるようになってきたら次は徐々に患部中心のメニューに切り替えていきます。ストレッチなどの軽い伸長を行いながら怪我をした筋肉を徐々に動かしていき、安静期間や怪我により生じた柔軟性の低下やこわばりなどを改善しつつ、状態をみながら負荷を低負荷から高負荷にしていき最終的に競技特性を考慮した競技別の復帰メニューを行う流れになります。

運動を開始する目安としては普段の生活(歩行・階段・日常動作)などで痛みが感じなくなった頃が目安となりますが、正しい開始時期は現場の医師の指示に従うのが最も良いでしょう。

 

肉離れをしてしまった時の対処法!正しい応急処置のやり方とは?

  • アイシング・冷却
  • 患部圧迫

応急処置の仕方や手当の有無によっては競技復帰までの期間、すなわち治療期間や完治までの期間に影響を及ぼします。ここで重要になってくるのが腫れを最小限に抑えるということ。骨折や捻挫など怪我をした後には必ずと言っていいほど腫れが生じますが、この腫れはいろいろと厄介で組織修復を遅らせたり、疼痛・関節可動域の制限因子にもなり得るのでできる限り最小限に抑えることは復帰を早めることにつながるわけです。

応急手当の基本はRICE処置(詳しくは「RICE処置について」の記事を参照)が基本になるのですが、特に重要なのが早期のアイシング処置と患部の圧迫になります。

また、患部の冷却と圧迫するときには受傷した筋肉をある程度伸長した状態で固定するのが良いとされています。痛みの出ない範囲で伸長することによって自身の筋肉自体による固定効果もあり、筋肉を緩めている状態よりも腫れにくいだろうとされているためです。(この圧迫肢位(姿勢)について個人の見解の違いがありますが、現状はこの姿勢がベターと言えます)

太ももの裏の肉離れ(ハムストリングス)であればうつ伏せで膝を可能な限り伸ばした状態で、太ももの前の肉離れ(大腿四頭筋)の場合であれば仰向けで膝を立てた状態で、ふくらはぎの肉離れ(腓腹筋・ヒラメ筋)の場合ならうつ伏せで足首を曲げた状態で行うなど怪我をした筋肉が可能な範囲で伸長した状態で行うのが良いでしょう。

関連記事:「足首の捻挫の痛みはいつまで続く?痛くて眠れない時の対処法を教えて!」

肉離れが起きてしまった時に周囲の人がすべきこと

場合によってはその場に倒れこんだり、動けないこともあるので安全な場所にまずは移動し、怪我の状態を確認します。外傷があれば外傷の消毒などの処置を行いながら、早期に患部のアイシング処置と圧迫固定を行いましょう。

すぐに病院へ!と思いがちですが、病院に行くまでに最低限かつ重要な処置が冷却処置と圧迫固定処置です。あとは患部に負担をかけないように移動は大げさと思わずに車椅子や松葉杖・おんぶをするなどして安静を保ちつつ早期に病院を受診しましょう。

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