お手洗いに行って、水を流そうとすると「・・・あれ、血!?」という経験はありませんか。
女性の場合は毎月、生理があるので、血を見慣れているといえば見慣れているものですが、予定外の出血があるとやはり、不安になります。
今回は、女性の血尿の原因(血尿に見える場合も含)とそれに関わる病気、痛みがある場合とそうでない場合で注意すべき点についてご紹介します。
記事の内容
女性によくある血尿の3つの原因
女性によくある血尿の原因としては、次の3つが挙げられます。
- 膀胱炎
- ケガ
- 不正出血
原因1:膀胱炎の原因と症状
まず圧倒的に多いのが、1.の膀胱炎です。
膀胱炎とは、大腸菌などの細菌が膀胱内に入ってくることで炎症を起こして生じる病気です。
大きく分けて急性のものと慢性のものの2つがありますが、女性(特に若い人)に多いのは急性膀胱炎です。
血尿に加えて「残尿感」「尿の匂いがきつい」「頻尿」などの症状が見られる場合は、膀胱炎の可能性があります。
膀胱炎の原因として挙げられるのは
- トイレの我慢
- ウォシュレットの頻繁な使用
- 不衛生な状態での性交渉
などです。
膀胱炎の原因1:トイレの我慢
まず①ですが、トイレに行くことを我慢することで、膀胱内に溜まった尿の中で細菌が繁殖して炎症の原因となってしまいます。
膀胱炎の原因2:ウォッシュレットの頻繁な使用
次に②についてです。普段は膣粘液などが陰部を保護して細菌の繁殖を抑制していますが、ウォシュレットを頻繁に使用することで、その保護膜を洗い流してしまい、防御作用が弱まってしまいます。
その結果、細菌が繁殖しやすくなり、膀胱炎になるというわけです。
膀胱炎の原因3:不衛生な状態での性交渉
また、③についてですが、女性の場合、膣・肛門・尿道口が近い位置にあるため、不衛生な状態で性交渉をすると、周辺にある細菌が尿道に入りやすいのです。
原因2:ケガによる血尿の原因は打撲や転倒
陰部を強く打ったりすると出血してしまうことがあります。
この場合の出血は、自然に治癒するのを待つしかありません。事故などによって、酷い出血がある場合は、救急外来などに行って処置をしてもらう方が良いでしょう。
また、腰のあたりを強く打つことで腎臓から出血し、その結果、血尿として排出されることがあります。
原因3:不正出血
一見、血尿のように見えますが、これは腟内からの出血です。生理周期以外の時に出血することを『不正出血』と言います。
不正出血の原因には様々あり、一時的なストレスで出血することもありますし、子宮・卵巣・膣に何らかの異常(腫瘍・炎症など)がある時も出血することがあります。
明らかに月経以外の出血である場合は、早めに婦人科にかかりましょう。
関連記事:「見えない血尿の原因とは?女性の尿潜血検査陽性の意味と捉え方について」
血尿時に痛みがある場合・無い場合で注意したいこと
血尿が出ている時は、痛みがある場合・無い場合があります。それぞれの場合で注意したい病気を見てみましょう。
痛みがある場合
女性の場合、痛みを伴う血尿は、膀胱炎の可能性が高いです。
また、女性には少ないようですが、尿路結石のために尿管が傷ついて痛みとともに血尿が出ることがあります。
痛みのない場合
痛みを伴わない血尿の場合、考えられる主な病気は次の2つが挙げられます。
- 慢性糸球体腎炎
- 膀胱がん
まず①ですが、血尿以外には蛋白尿の症状のみが見られる場合が多いので、自覚症状があまりありません。進行すると腎不全にも発展する可能性があるため、注意が必要な疾患です。
②の場合も、ある程度進行するまで血尿以外の症状が見られないケースが多いようです。
がん腫瘍部分の切除だけで済めば良いのですが、子宮などへの転移の可能性もあるため、血尿が出た時点で病院へ行くことを強く薦めます。
急な血尿にも慌てず冷静に!
陰部に関することは、特に女性にとってはとてもデリケートな問題です。「血尿が出た!」となるとかなり不安に感じることだと思います。
しかし、早めに対処すれば、簡単な処置で済むケースも多くあります。まずは慌てず冷静に、自分の体調などを観察して、必要であればすぐに病院へ行きましょう!
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