染色体異常が原因の7種類の病気とは?赤ちゃんの発症確率や検査方法について 

染色体

病院受診をした時は最初に問診票を記述することがあるかと思いますが、その問診票の項目の中に家族の病気を記載する「家族歴」なる項目があります。脳梗塞やガンなどの患者が家族にいると発病リスクが高いとされ遺伝の要素も原因と考えられるために聴取されるわけですが、親や家族に罹患者がいなくても突然変異で病気持ちの子供が生まれてくる場合も少なからずあります。

遺伝子異常によって発病する病気は両親がいくら健康で病気歴などが無くても起こりうる可能性があるのです。遺伝子異常によって病気を持って生まれてきた子供を持つ親は「自分が悪い」と責めてしまいがちですが、誰にでも起こりうる可能性があり決して親が悪いわけではないので自分を責めすぎないようにすることも大切です。

「ダウン症」という病気は一度は耳にしたことがあるかと思いますが、遺伝子異常による疾患は他にもいくつかの種類があります。今回は子供や赤ちゃんの遺伝子異常に関する病気の原因や症状などについて理解を深めましょう。

遺伝子異常の原因はエラー

人間の設計図ともいわれる遺伝子は染色体の中にあるDNAの一部に含まれており、この染色体は23対46本で構成されています。染色体は両親からそれぞれ半数ずつ受け継がれ22本は臓器や身体を構成する遺伝子情報が入っている常染色体、1本は性別を決定する性染色体(X染色体・Y染色体)です。人間の体を構成する細胞は60万以上ともいわれており、染色体はそれぞれの細胞に1つずつ存在する「核(細胞の目)」の中に収納されています。

精子と卵子が交わって受精卵となることで1つの細胞が誕生し、そこから遺伝子情報をもとに細胞分裂を繰り返してヒトとして成長していきます。生殖器官では遺伝子数を半減する減数分裂(46本→23本)を行いそれぞれの器官で精子と卵子が生産され生殖活動に備えているわけですが、その過程で1〜23ある染色体の1部が欠損または増殖してしまうことが遺伝子異常疾患の原因とされています。また、染色体数は正常な23対であっても染色体の構造自体に問題があって発病するケースも明らかになっています。

どの染色体の異常が原因かによって発病する病気や症状が異なっており、問題のある染色体によって筋肉の弛緩・不妊・呼吸障害・発達障害などの症状があらわれます。例えば、ダウン症の場合は22対の常染色体のうち第21番染色体が3本あることによって発病することが分かっており、1対の性染色体由来の病気では男児や女児にしか発病しない性差がある疾患もあります。

これらの生まれつき染色体に問題があって起こる様々な症状は染色体起因症候群と呼ばれ、ダウン症のように発症数が多く原因も明かされている病気に関しては独立した疾患名がついていますので以下に病気の原因や症状などについて簡単にまとめます。

 

遺伝病の種類

遺伝子の異常が原因で起こる遺伝病は大きく分けると3種類に分別することができます。親から子供へ病気が遺伝する「単一遺伝病」、遺伝子の突然変異で発症する「染色体異常」、様々な遺伝子異常や環境により発症したり後天的に遺伝子が傷ついて起こるガンなどの「多因子遺伝病」の3種類です。(遺伝病に関する詳しい内容は「親から子供へ遺伝する病気とは?3種類の遺伝病と検査方法について」の記事を参照。)

この項では染色体異常についての内容となります。

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染色体異常が原因の7つの病気

染色体異常が先天的にある赤ちゃんは生まれつき病気を持っていたり、成長に伴って病気に気づくこともあり病気の種類によっては流産や生後間もなく命が危険な状態になってしまいやすい危険な病気もあります。ここでは遺伝子疾患の中でも生まれつき染色体に問題がある7つの病気について簡単に原因や症状・治療方法についてみてみましょう。

ダウン症候群(21トリソミー)
  • 原因:減数分裂の異常で22対の常染色体の21本目が3本あることによって発症
  • 症状:特有の顔つき(目と目が離れて吊り目・鼻は幅広く低い)・舌が長い・首が太く短い・小さい耳たぶ・低身長・筋肉の弛緩・知的障害・運動の発達遅延・臓器の形態異常・幼児期以降に肥満傾向
  • 治療:心臓や消化器系の形態異常は状態により手術・発達に合わせた知能訓練や運動訓練
  • メモ:もっとも有名な常染色体異常の病気で1000人に1人と発症率も高い。高齢出産で生まれやすい。急性骨髄性白血病免疫異常などの合併症を起こしやすい。
エドワード症候群(18トリソミー)
  • 原因:突然変異により18番染色体が3本になることで発症
  • 症状:後頭部突出・凸足・両目が離れている・臓器や中枢神経の異常を合併し発達遅延が重度
  • 治療:治療法はない。哺乳力が弱いため栄養補給は鼻腔から行う。
  • メモ:高齢出産で生まれやすい。500人〜8000人に1人の割合で3:1で女児に多い。1歳までの死亡率が90%と高く多くは死産、低体重で生まれることが多い。
パトウ症候群(13トリソミー)
  • 原因:13番染色体が3本あることが原因で発症
  • 症状:小頭症・口蓋裂・口唇裂・網膜異常・耳の形と位置の異常・難聴・生殖器の異常
  • 治療:治療はない。無呼吸状態や痙攣に注意。
  • メモ:高齢出産でリスク増。1年以上生存するケースは稀。

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クラインフェルター症候群
  • 原因:性染色体の異常によりホルモンの不均衡が生じることが原因。多くの例で47本の染色体を持っている。
  • 症状:不妊(睾丸が小さい・無精子)・ヒゲが薄い・乳腺の発達・言語障害をきたす場合もある・内気な性格
  • 治療:成長に合わせたホルモン治療(血中ホルモン濃度測定・テストステロン注射)
  • メモ:男児特有の病気で1200人に1人と割合も高い。
ターナー症候群
  • 原因:性染色体の異常または欠損が原因
  • 症状:二次性徴がない(初潮がない・乳房が大きくならない)・身長が低い・外反肘・首にヒダ状の余分な皮膚がある・新生児期の手足のむくみ・心の発達が同年代の子と比べて幼い・不妊(卵子を造れない)
  • 治療:発達に合わせたホルモン治療
  • メモ:女子特有の成長障害。低身長の5〜10%を占め同年代の子と比べて身長が低いことで発見されるケースが多い。
猫鳴き症候群
  • 原因:5番目の染色体が欠損または別な場所へ移動することが原因の染色体異常
  • 症状:子猫の鳴き声のような高音で泣く・低体重で生まれる・小頭症・両目の間の開き・斜視・鼻は広く短い・耳の形が異常・心疾患を合併する確率が高い・乳児は筋緊張の低下が顕著・重度の知能および運動発達遅延
  • 治療:心疾患やその他の症状に応じて手術
  • メモ:染色体分析による診断よりも前に病名の由来ともなっている特徴的な泣き声で発見されることが多い。
プラダー・ウイリー症候群
  • 原因:大多数に15番の染色体構造の異常がみられる
  • 症状:筋緊張の低下・肥満・精神発達遅滞・情緒問題・停留睾丸・小陰唇形成不全・小陰茎・低身長・小肢端症・アーモンド様眼裂・魚様口唇・代謝異常
  • 治療:治療法はなく対症療法(肥満・糖尿病・停留睾丸などに対し)が主となる。
  • メモ:1万人に1人の割合で生まれる。肥満と低筋緊張が主症状。満腹中枢の血管や代謝異常による食欲のコントロールができず肥満となりやすい。

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高齢出産と発症確率

これらの遺伝子異常疾患を持って生まれてくる赤ちゃんや子供は高齢出産で生まれてくるリスクが高まるとされており、そのメカニズムも明らかになってきています。出産が高齢になるにつれて遺伝子異常を発症して生まれてくる確率が高まる原因は男性と女性の生殖機能の違いが原因とされています。女性の場合は年齢を重ねることにより卵細胞が傷ついたり変異する確率が高まるためです。一方で男性の場合は年齢と染色体異常との相関は一切ないとされています。

 

お腹の赤ちゃんの染色異常を検査する方法とは?いつ頃分かるのか?

赤ちゃんの染色体異常の有無を調べるためには出生前診断を受けて専門の検査を受けることで明らかになります。出生前診断で赤ちゃんの病気や染色体異常を調べる方法は羊水や胎児の血液・絨毛を採取して検査するなどいくつか種類がありますが、妊娠9〜16週ぐらいになると染色体異常の検査を受けることができるようになります。

 

妊活前のブライダルチェックは夫婦で行おう!

「将来生まれてくる我が子が大きな病気や奇形を持って生まれてきたらどうしよう…。でも、子供は欲しい。」と子供を授かるにあたり不安と期待が入り混じっている方も少なくないでしょう。そんな方は妊活を行う前に事前準備としてブライダルチェックを受けておくことをオススメしますよ。ブライダルチェックはプレママだけでなく夫婦二人でしっかり受けることが重要です。また、遺伝子検査キットなどを使用して検査することで、子供に遺伝する可能性のある病気や将来自分が患うかもしれない病気についても調べることができるので合わせてチェックしておくと安心かもしれません。

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