カレンダーやTVの天気予報で、見聞きする「大暑」や「夏至」などの言葉。言葉のひとつずつについてよくみていくと、なるほど~と思ったり、日本語の美しさを再認識できることをご存知ですか?皆さんも、日常に埋もれてしまいがちな言葉や時間の流れに、ほんの少しだけ目を向けてみませんか??(画像引用元:http://www.i-nekko.jp/)
二十四節気とは?
簡単に述べてしまうと、一年を二十四に区切り、気候にあった言葉をつけていった季節の節目です。毎年少しずつ日にちは異なってきます。現在の季節感と言葉が合わないと思う方もいらっしゃるかもしれません。例えば「立秋」は8/8頃にやってきます。猛暑日続出の頃ですよね?
しかし二十四節気では立秋からは秋、となっています。暑さの山の頂上(立秋)まで来たら、あとは涼しくなっていくほうへと下っていく区切りとして「立秋」なのだという考えだとのこと。そう思うと、どんな暑さも少しずつでもおさまっていくのだなぁと、猛暑対策をしながらもどこかで気が楽になりそうな気がしませんか?
もちろん、冬の寒さに対しても、また同様に…。

現在使用されているのはグレゴリオ暦という「太陽暦」、それ以前は「太陰太陽暦」を使用していました。太陰暦と季節を結び付けようと生み出されたのが二十四節気。祝日になっている日や、冬至のように柚子湯やかぼちゃを食べる習わしのある日もありますね。
春は「万物が発る季節」⇒立春~立夏前日、
夏は「熱の季節」⇒立夏~立秋前日、
秋は「木の葉が赤く染まる季節」⇒立秋~立冬前日、
冬は「万物が冷える(ひゆる)季節」⇒立冬~立春前日、となります。
二十四節気の詳細についてはこちらと下記の表をご覧ください♪
春 | 目安 | 夏 | 目安 | 秋 | 目安 | 冬 | 目安 |
立春 (りっしゅん) |
2月初 | 立夏 (りっか) |
5月初 | 立秋 (りっしゅん) |
8月初 | 立冬 (りっとう) |
11月初 |
雨水 (うすい) |
2月中 | 小満 (しょうまん) |
5月中 | 処暑 (しょしょ) |
8月中 | 小雪 (しょうせつ) |
11月中 |
啓蟄 (けいちつ) |
3月初 | 芒種 (ぼうしゅ) |
6月初 | 白露 (はくろ) |
9月初 | 大雪 (たいせつ) |
12月初 |
春分 (しゅんぶん) |
3月中 | 夏至 (げし) |
6月中 | 秋分 (しゅうぶん) |
9月中 | 冬至 (とうじ) |
12月中 |
晴明 (せいめい) |
4月初 | 小暑 (しょうしょ) |
7月初 | 寒露 (かんろ) |
10月初 | 小寒 (しょうかん) |
1月初 |
穀雨 (こくう) |
4月中 | 大暑 (たいしょ) |
7月中 | 霜降 (そうこう) |
10月中 | 大寒 (たいかん) |
1月中 |
七十二候とは
二十四節気を、さらに細かくすることで季節や動物の動きに寄り添う節目の七十二候になります。とても綺麗な言葉が72も並んでいます。例えば…芒種(6月中)の中に「枯れたる草蛍となる」(かれたるくさ ほたるとなる) という言葉があります。梅雨期のさなか、夜になるとカエルがにぎやかに鳴き、蛍がほんわりとした光を放ちながら飛んでいる、まさに日本の原風景のような景色が浮かんでくる気がしませんか??ぜひ一度、目にしていただきたいと思います!!
七十二候は5日ほどの短期間刻みの構成から成っているために、現在の自然現象とは一致しないこともあるので、季節の節目の目安として見てください。中国から伝来し、日本で手を加えられたものという点も加味してくださいね。

節気 | 七十二候 | よみかた | ||
立春 | 1候 | 初候 | 東風 凍を解く | はるかぜ こおりをとく |
2候 | 次候 | うぐいす 鳴く | うぐいす なく | |
3候 | 末候 | 魚氷を上る | うお こおりをいずる | |
雨水 | 4候 | 初候 | 土脈 潤い起こる | どみゃく うるおいおこる |
5候 | 次候 | 霞 始めてたなびく | かすみ はじめてたなびく | |
6候 | 末候 | 草木萌え動る | そうもく めばえいずる | |
啓蟄 | 7候 | 初候 | すごもりの虫戸を開く | すごもり むしとをひらく |
8候 | 次候 | 桃始めて 咲く | もも はじめてさく | |
9候 | 末候 | 菜虫 蝶となる | なむし ちょうとなる | |
春分 | 10候 | 初候 | 雀 始めて 巣くう | すずめ はじめて すくう |
11候 | 次候 | 桜 始めて開く | さくら はじめてひらく | |
12候 | 末候 | 雷乃ち 声を発す | かみなりすなわち こえをはっす | |
晴明 | 13候 | 初候 | 玄鳥 至る | つばめ いたる |
14候 | 次候 | 鴻鴈 かえる | こうがん かえる | |
15候 | 末候 | 虹 始めてあらわる | にじ はじめてあらわる | |
穀雨 | 16候 | 初候 | 霞 始めて生ず | かすみ はじめてしょうず |
17候 | 次候 | 霜止で 苗出ずる | しもやんで なえいずる | |
18候 | 末候 | 牡丹 はなさく | ぼたん はなさく | |
立夏 | 19候 | 初候 | 蛙 始めて鳴く | かえる はじめてなく |
20候 | 次候 | みみず 出ずる | みみず いずる | |
21候 | 末候 | 竹の子 生ず | たけのこ しょうず | |
小満 | 22候 | 初候 | 蚕起きて 桑を食む | かいこおきて くわをはむ |
23候 | 次候 | 紅花栄う | べにばな さかう | |
24候 | 末候 | 麦秋至る | むぎのとき いたる | |
芒種 | 25候 | 初候 | 蟷螂生ず | かまきり しょうず |
26候 | 次候 | 腐れたる草 蛍となる | くされたるくさ ほたるとなる | |
27候 | 末候 | 梅のみ 黄ばむ | うめのみ きばむ | |
夏至 | 28候 | 初候 | 乃東 枯る | なつかれくさ かるる |
29候 | 次候 | 菖蒲 はなさく | しょうぶ はなさく | |
30候 | 末候 | 半夏 生ず | はんげ しょうず | |
小暑 | 31候 | 初候 | 温風 至る | あつかぜ いたる |
32候 | 次候 | 蓮 始めて開く | はす はじめてひらく | |
33候 | 末候 | 鷹乃ち わざをならう | たかすなわち わざをならう | |
大暑 | 34候 | 初候 | 桐 始めて花を結ぶ | きり はじめてはなをむすぶ |
35候 | 次候 | 土潤いて むし暑し | つちうるおいて むしあつし | |
36候 | 末候 | 大雨 時々に降る | だいう ときどきにふる | |
立秋 | 37候 | 初候 | 涼風 至る | すずかぜ いたる |
38候 | 次候 | 寒蝉 鳴く | ひぐらし なく | |
39候 | 末候 | 深き霧 まとう | ふかきかすみ まとう | |
処暑 | 40候 | 初候 | 綿のはなしべ 開く | わたのはなしべ ひらく |
41候 | 次候 | 天地 始めてさむし | てんち はじめてさむし | |
42候 | 末候 | 禾乃ち みのる | こくもの すなわちみのる | |
白露 | 43候 | 初候 | 草露 白し | くさつゆ しろし |
44候 | 次候 | 鶺鴒 鳴く | せきれい なく | |
45候 | 末候 | 玄鳥 去る | つばめ さる | |
秋分 | 46候 | 初候 | 雷乃ち 声を収む | かみなりすなわち こえをおさむ |
47候 | 次候 | 虫かくれて 戸をふさぐ | むしかくれて とをふさぐ | |
48候 | 末候 | 水始めて 涸る | みずはじめて かるる | |
寒露 | 49候 | 初候 | 鴻鴈 来る | こうがん きたる |
50候 | 次候 | 菊花 開く | きくのはな ひらく | |
51候 | 末候 | 螽斯 戸にあり | きりぎりす とにあり | |
霜降 | 52候 | 初候 | 霜 始めて降る | しも はじめてふる |
53候 | 次候 | 小雨 時々降る | こさめ ときどきふる | |
54候 | 末候 | 楓蔦 黄ばむ | もみじつた きばむ | |
立冬 | 55候 | 初候 | 山茶 始めて開く | つばき はじめてひらく |
56候 | 次候 | 地 始めて凍る | ち はじめてこおる | |
57候 | 末候 | 金盞香 | きんせんか さく | |
小雪 | 58候 | 初候 | 虹かくれて見えず | にじ かくれてみえず |
59候 | 次候 | 朔風 葉を払う | きたかぜ はをはらう | |
60候 | 末候 | 橘 始めて黄ばむ | たちばな はじめてきばむ | |
大雪 | 61候 | 初候 | 閉塞 冬となる | そらさむく ふゆとなる |
62候 | 次候 | 熊 穴にこもる | くま あなにこもる | |
63候 | 末候 | さけの魚 群がる | さけのうお むらがる | |
冬至 | 64候 | 初候 | 乃東 生ず | なつかれくさ しょうず |
65候 | 次候 | さわしかの 角おつる | さわしかの つのおつる | |
66候 | 末候 | 雪下りて 麦のびる | ゆきわたりて むぎのびる | |
小寒 | 67候 | 初候 | 芹 乃ち 栄う | せり すなわち さかう |
68候 | 次候 | 泉水 温をふくむ | しみず あたたかをふくむ | |
69候 | 末候 | 雉 始めて鳴く | きじ はじめてなく | |
大寒 | 70候 | 初候 | 蕗の花 咲く | ふきのはな さく |
71候 | 次候 | 水沢 氷つめる | さわみず こおりつめる | |
72候 | 末候 | 鶏 始めてとやにつく | にわとり はじめて とやにつく |
こんな風に素敵な表現が、暦にあったのです…(≧▽≦)
二つの違いは?旧暦の読み方と覚え方は??
二十四節気は一年を二十四に区分けし、七十二候は二十四節気をさらに3分割したものです。
24×3=72で七十二候、です。
旧暦の読み方
カレンダーによっては、毎月表記されているものもありますね。
この名称が旧暦の読み方に当たります。
1月 | 睦月 | むつき |
2月 | 如月 | きさらぎ |
3月 | 弥生 | やよい |
4月 | 卯月 | うづき |
5月 | 皐月 | さつき |
6月 | 水無月 | みなづき |
7月 | 文月 | ふづき |
8月 | 葉月 | はづき |
9月 | 長月 | ながつき |
10月 | 神無月 | かんなづき |
11月 | 霜月 | しもつき |
12月 | 師走 | しわす |
旧暦の覚え方
これが旧暦か!と思っても「順番を覚える!」となるとややこしいですよね(;・∀・)
干支のように「ね~うし、とら、たつ、み~…」と覚えやすいふしがなかなかありません。
情景や行事を思い浮かべて覚える作戦で行ってみましょう!
1月 / 睦月⇒お正月の月。みんなが集まって「仲睦まじく団らん」をする月。
2月 / 如月⇒寒さ厳しい時期。重ね着を多くする「着更着」(きさらぎ、着て更に着る) 月。
3月 / 弥生⇒寒さが緩み始めお花見も始まる時期。「や~よいよい♪楽しいね」とお花見の席を。
4月 / 卯月⇒新生活の時期。「新入生」「新入社員」新たに生まれる「う」をもらった月。
5月 / 皐月⇒誰ですか~?皐月賞を思い浮かべた方(´艸`*)変換すると出ますよね(;・∀・)
6月 / 水無月⇒「田んぼに水を張る月」「梅雨明けでカラッとして水がない月」
7月 / 文月⇒七夕の月。短冊に願い事のお手紙をしたためる「文 (ふみ) の月」
8月 / 葉月⇒夏の緑が鮮やかな時期。「葉の月」(☆旧暦では秋、落葉の時期でもあります)
9月 / 長月⇒十五夜のお月見の時期。「長く月を眺めていたいなぁ…の月」
10月 / 神無月⇒神様が一堂に出雲大社に集まるという月。「神様がお留守の月」
ちなみに出雲では「神有月」というのは有名ですね。様々にお話合いしているそうですよ…。
11月 / 霜月⇒寒さが忍び寄ってくる時期。「霜柱が立ちそうな月」
12月 / 師走⇒締めくくりの時期。「いつもは物静かなお師匠様も走るほどの忙しさの月」
いかがでしょうか??イメージを膨らませながら思い浮かべると覚えやすくなります。
古式ゆかしい世界に触れるとゆったりしませんか?
いつもカレンダーで見ている月の名前にもこんな意味が込められていたり、七十二候も綺麗な日本語がずらりと並んでいて、読んでいくだけでも様々な景色が目の前に浮かんできませんか??これから少しずつ暦の内容や意味について触れていきたいと思いますので、お待ちくださいね。日本の風習を様々な角度から眺めてみる楽しさをお伝えできたらいいなと考えております(^^♪

引用元:http://item.rakuten.co.jp/
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